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2008年5月29日 (木)

こんな結婚式は嫌だ

(※この話はフィクションです。現実の人物、団体、法律及び場所とは一切関係ありません。)

「・・・・・・。」
恭子は渋い顔つきで、新婦の控え室に佇んでいた。
純白のウェディングドレスが、この上なく似合う美しい花嫁。だがしかし、恭子の心は晴れない。
恭子には付き合っている男がいた。だが、親の猛反対、そして、親の勝手に決めた結婚相手と、こうして無理矢理結婚させられる羽目になってしまったのだ。
親にとっては、恭子など政略結婚の道具の一つに過ぎない。しかし、恭子にとっては育ててくださった大恩ある相手であるから、逆らえなかった。
もっとも、結婚相手の伸一は、悪い人ではない。だが、やはり、付き合っていた拓也のほうが好きだった。
(拓也・・・・・・)
恭子は暗い顔をする。この期に及んでも、伸一よりも、拓也のほうが好き。
(拓也・・・・・・私を、奪いに来て・・・・・・私を連れ去って・・・・・・)
もし本当に、拓也が自分を連れ去ってくれるなら、どんなにいいだろう。しかし、時は非情にも過ぎていき、いよいよ結婚式の時間になる。
(拓也・・・・・・)
恭子はもう一度、拓也のことを想った。

そして結婚式。
バージンロードの花道を、恭子は父親と腕を組んで進む。
「恭子、さっさと歩け。」
「・・・・・・。」
そして花道の途中に、新郎である伸一が立っている。できれば、拓也の方がよかった。だが、現実には、立っているのは伸一。
恭子は一瞬、躊躇った。
「どうした?早く腕を組まんか。」
父が非情な声で命令する。
(お父様・・・・・・、私はあなたを・・・・・・恨みます。)
伸一は、神妙な顔つきをしている。緊張しているのか、それとも感極まっているのかはわからない。
恭子はしぶしぶ、伸一と腕を組む。別に好きでもない相手。恭子の本当の心は、拓也にある。
そんな心で送る結婚生活が、上手くいくわけはない。おそらく、惨憺とした家庭になることは、容易に予測できた。
(今からでもいい。拓也、私を奪い去って!奪い取りにきて!)
何度も恭子はそう思う。しかし、時は非情にも過ぎていき、伸一と恭子は、いよいよ祭壇の前に立つ。
そして、二人の愛の宣誓。まずは新郎の番。
「あなたは、健やかなる時も、病める時も、お互いに手を取り合って、生きていくことを誓いますか?」
その時・・・・・・

教会のドアが、「バンッ!!!」と大きく開いた。

伸一と恭子は思わず振り返る。そこには、一人の人間が立っている。
「よかった!間に合った!」
そしてその人間はつかつかと伸一と恭子の下へと歩いてくる。だが・・・・・・
その人間は、拓也ではなかった。長い黒髪の、スーツ姿の女性。結構綺麗な女性。
そしてその女性は、伸一の前に来ると、伸一の手を取った。
「伸一!あたしと一緒に逃げて!!!」
「うんわかった!」
伸一はそのまま走り出す。そして、自分の両親のところで立ち止まり、はっきりと言い放った。
「父さん母さん!僕はいつまでもあなたたちの言いなりではないんだ!」
そして伸一と女性はすたこらさっさと走り去ってしまった。後に残されたのは、花嫁衣裳を身に纏った、恭子。
恭子は呆然として、立ち尽くしていた。
「な、何なのよ・・・・・・?」

おしまい

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コメント

これはハッピーエンドなのか、
ハッピーコントなのかw

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